INTRODUCTION
美食の世界には、見えない情熱、献身、そして物語が息づいている。「レストラン KAWASAKIのテーブルに並ぶ一皿一皿には、料理人や生産者たちの努力と創造力が凝縮されている。
ドキュメンタリー映画「KAWASAKI 一期一会の饗宴」は、料理人・河崎芳範と彼を支える仲間たちの日常に密着し、彼らの情熱がどのように一皿の料理として結実するのか、その舞台裏を鮮やかに描き出していく。
映画タイトル:KAWASAKI 一期一会の饗宴
制作・監督:高木 優
美食の世界には、見えない情熱、献身、そして物語が息づいている。「レストラン KAWASAKIのテーブルに並ぶ一皿一皿には、料理人や生産者たちの努力と創造力が凝縮されている。
ドキュメンタリー映画「KAWASAKI 一期一会の饗宴」は、料理人・河崎芳範と彼を支える仲間たちの日常に密着し、彼らの情熱がどのように一皿の料理として結実するのか、その舞台裏を鮮やかに描き出していく。
晩秋の北海道、色づく山々の中で、料理人・河崎芳範は狩猟に挑んでいた。
鹿笛の音が響き渡ると草陰から一頭の雄々しい蝦夷鹿が姿を現した。
待ち構えていた河崎の心臓は高鳴り、握られたライフル銃は冷たく硬い感触を伝えてくる。息を潜め、引き金に指をかけるその瞬間、時間が止まったかのように感じる。そして、一発の銃声が森に轟き、木々の中に消えていった。その響きは、命の儚さと狩りの緊張感を鮮烈に刻みつけた。倒れた鹿を見つめる河崎の眼差しには、獲物への誇りと感謝、そしてその命を次の料理へと繋げる深い思いが込められていた−。
Yoshinori Kawasaki
ギターリストとしてバンド活動をしていたが、24歳の時に料理の世界へと足を踏み入れる。東京のフレンチの名店で修行を積んだ後、静岡県へ移り「レストランビオス」でシェフを務める。2014年に独立、静岡駅近郊にてレストランKAWASAKIを開業。狩猟時期にはシェフ自ら狩りを行い、野菜は毎朝契約農家の畑で収穫している。地元の食材を生産者の想いと共に一皿に仕上げるのが河崎シェフの流儀である。
料理人/猟師
Toshiaki Masuda
静岡県島田市にある「ラーメン ル・デッサン」の店主。フランス料理の世界でキャリアを積んできた料理人。その豊富な知識と経験を活かし、独自のラーメンを生み出している。
河崎シェフにとって、増田シェフは駆け出しの頃からお世話になった偉大な先輩であり、料理の道を共に歩んできたよき理解者である。
料理人
Hunter Ota
狩猟歴50年を誇るベテランハンター。ハンティングの経験と知識が並外れており、その研ぎ澄まされた狩猟の感覚には驚かされる。これまでにアラスカの巨大ヘラジカや、体重300キロにも達するヒグマを仕留めた経験を持ち、その勇姿はまさに伝説といえる。自然の厳しさと対峙し続けた彼の人生には、多くの物語が詰まっており、その一つ一つが、彼の狩猟に対する深い愛情と信念を物語っている。
猟師
Michio Fukasawa
「フジヤマハンターズビール」のオーナー。農家や猟師としての顔も持ち、自然と深く関わる暮らしをしている。里山の再生や環境問題への啓発活動にも積極的に取り組んでおり、地域社会への貢献に情熱を注いでいる。ビール作りには、彼の自然への敬意と持続可能な未来への思いが込められており、その一杯一杯に自然の恵みと彼の情熱が詰まっている。
深澤さんの活動は、地域の人々にとっても大きな影響を与えており、自然と人との共生を目指した新しいスタイルを提案し続けている。
ビール醸造家/農家/猟師
Itaru Watanabe
「農園NOBLUE」のオーナー。レストランビオス(ビオファームまつき)時代からの仲間。通常の牛蒡の2倍以上の太さを持ち、柔らかい肉質と香り高さが特徴の「オデオゴボウ」を生産。この新しいスタイルの牛蒡は、これまでにない独自の風味と食感で、多くの料理人たちに新たなインスピレーションを与えている。世界中の料理シーンに新しい刺激を提供することを目指して、日々奮闘している。
野菜生産者
Koji Katayama
ゆのさや農園オーナー。レストランビオス(ビオファームまつき)時代からの仲間。柚野の地の美しさと豊かさに魅せられ、東京から県富士宮市大鹿窪に移住。ストレスを与えないように、極力人間の手を加えず、自然に任せた野菜づくりをしている。柚野の豊かな自然がもたらす滋味が詰まっており、その味わいは多くの料理人や食通たちに支持されている。
野菜生産者
Akichika Hasegawa
静岡県富士市でマッシュルームを生産している「長谷川農産」の社長。こだわり抜いた無農薬・無漂白のマッシュルーム栽培で知られている。その品質の高さは全国でも評判で、多くの有名レストランで使用されている。
長谷川農産のジャンボマッシュルームはレストランKAWASAKIにとって欠かせない食材でもある。
マッシュルーム生産者
Izumi Iwamoto
静岡県の富士宮と伊豆でイワナ、ニジマス、サクラマスの養殖を手がけている「富士山サーモン」の社長。品質への妥協を許さない姿勢は、養殖場にも反映されており、環境や餌に細心の注意を払いながら、最高の魚を育てている。富士山サーモンの養殖する魚は、その豊かな風味と新鮮さで、多くの料理人や食通たちから高い評価を受けている。
川魚生産者
Osamu Fukasawa
山梨県南部町で種麹や味噌を生産している深澤さんは、自然食や発酵食品に深い知識を持つ専門家。作られる種麹や味噌は、自然の恵みを最大限に引き出したものばかりで、食材の持つ本来の味わいを大切にしており、発酵食品の魅力を広く伝えている。
麹生産者
Yuji Murakami
静岡県藤枝市の山奥で器を制作している陶器作家。作品は温かみのあるやさしい感触がありながら、驚くほど軽やかに仕上げている。
料理そのものを引き立てるだけでなく、その美しさと機能性が河崎シェフの料理に新たな生命を吹き込んでいる。
陶芸家
Toshifumi Momose
静岡市清水区の山の麓に工場を構える「挽物所639」のオーナー。静岡の伝統工芸である「静岡挽物」の担い手として、その技術と美しさを次世代に伝えている。
百瀬さんの志は、「挽物を通じて幸せと感動を共に創り出す」こと。これまでにない業種とのコラボレーションや、新たな素材との融合を積極的に追求し、挽物の可能性を広げるために日々挑戦し続けている。
挽物作家
Yu Takagi
山口県出身。阿佐ヶ⾕美術専⾨学校卒業後、美術家として活動。2018年より映像制作を開始。美食や食文化に傾倒しており、ジビエ料理とワインに魅了されたことを機に、自らも猟銃の所持許可と狩猟免許を取得して狩猟をしている。「KAWASAKI一期一会の饗宴」が初の長編映画制作になる。
映像作家/フォトグラファー